大手SEへ転職するメリット・デメリットとかんたん確実な転職法
「大手SEって上流できるしホワイトだしいいよね!」
このように考える人は、他にも
- SE(システムエンジニア)として自分の給料は適正なのか?
- 自分の力をもっと伸ばせる仕事はないのか?
- 経験も積んだのでそろそろステップアップしてみたい
といった悩みを持っています。
このときに大手SEへの転職を誰もが検討するでしょう。
ただ、大手SEも良いことばかりではありません。
むしろ大手SEに転職して後悔する人もいます。
具体的には
- 派遣社員や外注のやりとりばかり
- 技術力がつかない
- 会社内の交流がない
- 社内政治が必要
- 成果主義のように見えて、実際は年功序列
このような後悔は他にも多くあります。
何も知らずに大手SEへ転職する「こんなハズではなかった!」と後悔することになります。
私のまわりでは、だいたい2年程度で辞める人が多いです。
この記事ではこのような失敗を減らすためにも
- 大手SEの仕事内容
- 大手SEへ転職することのメリット・デメリット
- 大手SEへの転職手段
を紹介していきます。
大手SEへ転職を検討しているかたは最後まで読み進め、あなたが本当に期待したとおりの転職先かを確認してください。
- 大手SIerと中小SIerのSEの違い
- 大手SIerのSEへ転職することのメリットとデメリット
- 大手SIerのSEに合う人・合わない人
- 大手SEへの転職はかんたん確実な転職エージェントがおすすめ
- まとめ
大手SIerと中小SIerのSEの違い
「大手SIerと中小SIerのSEの違いは、従業員数だけでしょ?」と思っている方が多いですが、実はそれだけではありません。
仕事の規模も違ってきますし、日常の業務も大きく変わってきます。
大手SIerのSEの特徴は、大きく分けると
- 担当するプロジェクトの規模が非常に大きい
- 管理能力が問われる
ということが挙げられます。
これは、日本のIT業界がピラミッド構造であるためです。
大手SEと中小SEの差は企業の従業員数と資本金にあり
中小企業法で大手SEと中小SEは、勤務先企業の従業員数と資本金の違いで区別されます。
大手SE | 中小SE | |
---|---|---|
従業員数 | 301名以上 | 50~300名以下 |
資本金 | 3億円以上 | 5,000万~3億円未満 |
しかし、実際に大手SIerと言われるのは従業員は最低1,000人以上はいると考えるべきでしょう。
なぜならSI業界では400人規模のSIerは比較的多く、大手SIerと分類されていないためです。
- 大手SEは従業員数1000人以上いる企業が一つの目安
プロジェクト・案件の大きさ
大手SEほど大きな案件を担当することになります。
大きな案件とは、受注金額の大きさです。
それぞれ担当する受注金額の目安は次のようになります。
- 大手SE:数千万円〜数億円
- 中規模SE:数百万円〜数千万円
- 小規模SE:数十万円〜数百万円
受注金額が増えれば、システムの規模は大きくなり、期間が長くなったり人員が多く必要になります。
ちなみに、大手SEが担当するプロジェクトは、1社で完結できないほどのプロジェクト規模となります。
そのため、上流工程となる要件定義や外部設計(基本設計)を行い、その後の作業は他社へ発注し、プロジェクト全体の管理が主な仕事となります。
問われる管理能力の違い
大手のSEは上流工程とプロジェクト全体の管理が求められ、新人であっても100人単位のチームリーダーになるということも珍しいことはではありません。
これに対し、中小のSEが管理するのは10人単位くらいの比較的小さなチームになります。
100人単位と10人単位ですので、当然、求められる管理能力の「質」は変わってきます。
大手SEは大規模プロジェクトのマネジメント力と下請けチームとの折り合いを付けて進める能力が必要となります。
大手SIerのSEへ転職することのメリットとデメリット
大手のSEになって「しまった!」とならないためにも大手SIerに転職するメリットとデメリットを把握しておきましょう。
メリット
大手SEのメリットは次の4つありあす。
- キャリアップができ、市場価値の高い人材に成長できる!
- 大手SEは給料が中小SEと比べて130万円〜190万円高い!
- 大手SEは福利厚生面が充実している!
- 大手SEは無理な残業は少ない!
それぞれ、詳しく解説していきます。
キャリアップができ、市場価値の高い人材に成長できる!
大手SEに転職できれば、上流工程に関わる機会も増え、より大きなプロジェクトを任されることが多くなります。
大規模なプロジェクトを運営できるSEは多くはありません。
専門性の高さと希少性から市場価値を高めることができます。
大手SEは給料が中小SEと比べて130万円〜190万円高い!
給料面での改善も大きなメリットです。以下は企業規模ごとの平均年収と平均月額給与の比較となります。
企業規模 | 平均年収 | 平均月額給与 |
---|---|---|
大手SIerのSE | 761.0万円 | 47.6万円 |
中規模SIerのSE | 629.8万円 | 39.4万円 |
小規模SIerのSE | 570.7万円 | 35.7万円 |
※厚生労働省の企業規模比率から算出
やはり、大企業の方が高収入を望める環境であるのは間違いないでしょう。
給与が気になる方はこちらも参考にしてください。
どんな分野のSEが給与が高いかなど解説しています。
大手SEは福利厚生面が充実している!
長期休暇は大企業の方が長めに取れる傾向が高いです。
なぜなら属人性が少ないのが大手だからです。
また、育児休暇などの制度も充実しているため、女性も働きやすい環境です。
実際に多くの女性が育児制度を活用しています。
住宅手当、退職金などその他の福利厚生も大手SEのほうが豊富です。
大手SEは、無理な残業は少ない!
大手SEの方が無理な残業が少ないです。
具体的には次の2つの理由があります。
1つ目の理由は、下流工程の方が残業することが多くなりがちで上流工程であればそこまで大変な残業をすることは少ないでしょう。
2つ目の理由は、残業代はすべて払われるため、無駄な残業をされるとプロジェクトの収益に影響がでるためです。
自宅に仕事を持ち帰るとセキュリティー面で怒られるため、自宅で作業することもありません。
デメリット
大手SEのデメリットは3つあります。
- 大手SEは、プログラミングをする機会が極端に少ない
- 優秀な人材が多く認められにくい
- 承認や合意形成に時間がかかりフットワークが重い
大手SEは、プログラミングをする機会が極端に少ない
大手SEのデメリットは、プログラミングをする機会が極端に少ないということです。
なぜなら大手SEはプロジェクト管理が主な仕事内容で、プログラミングなどの製造工程は下請けに発注してしまうためです。
プログラミングが好きだった人はとくにここをよく考えておくことが必要です。
優秀な人材が多く認められにくい
大手に入社すると周囲に優秀な人材が増えることで、良い仕事をしてもなかなか目立たない、認められにくくなるということが考えられます。
歯車の一部になって、やりがいを感じないという方もいます。
承認や合意形成に時間がかかりフットワークが重い
大きな会社になると稟議や承認ばかりが必要になり、物事が進まずフットワークが重いという可能性もあります。
やはり大企業は全従業員を統括するための画一的なルールがあったり、セキュリティーが厳しかったり、利害関係者が多く合意形成の時間がかかったりとスピーディに進まないという傾向です。
大手SIerのSEに合う人・合わない人
大手SEに合う・合わないというのは、その人の価値観や資質が大きく影響します。
かんたんに大手SEが合う・合わないを知るためには、
・「技術者志向」vs「管理者志向」
・優先順位が「給料」vs「仕事のやりがい」
を考えてみることが一つの基準となります。
技術者志向 | 管理者志向 | |
---|---|---|
給料を優先 | フリーランス向き | 大手SE向き |
仕事のやりがいを優先 | フリーランス、中小SE向き | 大手SE向き |
例えば、 「管理者志向」の人は大手に向いていると言えるでしょう。
一方で「技術者志向」で「給料」を望むのであればフリーランスを目指したほうが収入はアップしやすいです。
注意していただきたいのは、上記は必ずしもすべての人に当てはまるわけではありません。
なぜなら、本当は最新プログラムを書きたいけど、給料が良いから大手で働いているという人もいるためです。
すべてを満たしてくれる完璧な職場に転職できれば良いですが、そのような職場はごく少数でしょう。
大切なのは、どこで折り合いを付けるか、そのための優先順位を自分で決めておくことです。
もし、「大手SE以外も検討したい!」という方は次の記事も参考にしてください。
SEからの転職先を網羅し、選び方や失敗事例、成功法の鉄則まで全てを解説しています。
大手SEへの転職はかんたん確実な転職エージェントがおすすめ
転職するためには次のようにいろいろな方法があります。
- 転職エージェントに相談する
- 転職イベントやセミナーに参加する
- 転職サイトから大手SEの求人を探す
あなたは、大手SEへの転職を成功させるためにはどれが一番かんたんで確実か分かりますか?
実は一番失敗しがちなのは、「転職サイトから大手SEの求人を探す」です。
なぜなら、
- 私でも内定がでるのだろうか?
- 大手SEができるのだろうか?
- 本当にここが一番良い職場なのだろうか?
といった悩みが繰り返され、決めてが無いためです。
大手SEは若手にプロジェウトをどんどん任せます。
転職が遅れるとその分、年を取って期待されるレベルが上がりますし、入社してからのキャッチアップが大変になります。
それらを回避するおすすめの方法が「転職エージェントに相談する」です。
その理由を解説していきます。
転職の失敗の大きな原因は誰にも相談せず独りよがりに進める人
転職は人生の大きな決断です。
そんな重要な決断を誰にも相談せず転職した結果、
- 思っていた仕事内容ではなかった
- 職場の雰囲気が自分には合わなかった
- 残業や給与に募集要項とズレがある
- 実はもっと良い会社があった
というケースが発生しています。
上記の問題を回避するためにも、納得できる職場探しをするためにも転職アドバイザーに相談しましょう。
無料で相談でき、転職後の条件(給与、待遇など)の調整や企業の雰囲気や状況を教えてもらうことができます。
とくに、IT専門の転職エージェントに相談することがおすすめです。
企業情報も豊富で、事例もたくさん知っています。
転職エージェントは50サービス以上ありますので、おすすめの転職サイトを紹介していきます。
大手SEに転職したい人へ転職エージェントは2つ
ここではおすすめの転職エージェントをご紹介します。
住んでいるエリアによって強いエージェントが異なりますので、自分にあったエージェントに登録するようにしましょう。
東京・大阪近郊の人は『レバテックキャリア』
IT、Web業界のエンジニアやクリエイターの転職を専門に扱っているエージェントです。
業界でもトップクラスの求人情報を持ち4,000件を超える企業を抱えています。
もちろん非公開求人も独占で持っているので希望の企業に出会える可能性が高いです。
年間3000回の企業訪問によって多くの企業情報を収集しているので、職務経歴書の添削や模擬面接など、企業別対策もバッチリしてもらえます。
さらに、エージェントはハイレベルな業界知識を持っているため、専門用語や最新技術の話が通じる、まさにIT業界転職のエキスパートと言えるでしょう。
地方の人は『DODAエージェント』
DODAエージェントは転職サイトのDODAが運営しているエージェントサービスです。
こちらも非公開求人を多数抱えていて、希望する条件に合致する企業が見つかりやすいのが特色です。
キャリアカウンセリング、応募書類の添削、模擬面接まで就職活動をバックアップしてくれます。
DODAエージェントはキャリアアドバイザーと採用プロジェクト担当の2人体制でサポートしてもらえます。
また、必要であればエグゼクティブ専門コンサルタント、バイリンガル専門コンサルタントなどさまざまな分野のエキスパートが求人を提案してくれるのも特徴でしょう。
まとめ
大手のSEになるということは、給料や待遇面の改善と仕事の内容が大きく変わることになります。
転職をするときには「転職してみたら思っていたのと違った」ということがないように、自分がどのようにして働きたいのかをしっかり考えておきましょう。