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【業界人が語る】SEとプログラマーの仕事・待遇・キャリアを比較!

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同じシステムを作るのに「SEとプログラマーがどう違うだろう?」「差があるの?」「どちらを目指すべき?」と疑問に思うことはありませんか?

システム構築の現場ではSEとプログラマー(PG)の立場は使い分けられています。しっかり理解せずにプログラマーに応募するとキャリアに悩むことも十分にありえます。

本記事ではSEとプログラマーの待遇や、年収、キャリアの違いを解説していきます。この記事を読むことでSEとプログラマーの違いを理解し、あなたがどちらを目指すべきかが分かるでしょう。

最近良く聞くエンジニアについても触れますのでぜひ最後までお読みください。

SEとプログラマーの仕事の内容の違い

SEとプログラマーは何が違うでしょうか?SEはプログラミングをしないのでしょうか?

この章ではシステム構築を請け負うSI業界におけるSEとプログラマーの違いを紹介いたします。事業会社におけるプログラマーとは意味合いが違いますのでご注意ください。この記事では「エンジニア」として後述いたします。

わかりやすい違いとしてSEとプログラマーでは担当する工程が明確に違います。具体的な違いを表にして説明します。

 SEプログラマー
要件定義 -
設計
実装
テスト
付帯作業
運用・保守
  • ◎:専門領域
  • ○:比較的担当が多い領域
  • △:場合によっては担当

プログラマーはやはり実装の工程が中心となります。また実装するための設計や実装したプログラムを検証するテストの工程も担当することが多いでしょう。

ではSEはプログラミングをしないのでしょうか。会社やプロジェクトに合わせて変わるといったところです。大規模プロジェクトでない場合はSEも開発することが多いでしょう。

開発内容にプログラマーもSEも差は特にありません。高度な知識とスキルが必要なCADの自動モデリングや画像処理などの場合はプログラマーに任せる形となることもあります。

全体スケジュールはSEが仕切るため、お客様とのコミュニケーションはSEが原則行います。

逆に言うとプログラマーは実装工程が中心となるため、要件定義などの上流工程には参画しないことが基本となります。

SEとプログラマーの待遇、年収、キャリアの違い

上流工程から参画するSEと実装工程が中心のプログラマーにはどんな待遇、年収、キャリアの違いがあるのでしょうか。

ここでは7年間SEを務めてきた経験から紹介いたします。 繰り返しますがシステム構築を請け負うSI業界におけるSEとプログラマーの違いとなりますのでご了承ください。

SEとプログラマーの待遇の違い

SEとプログラマーでは明らかにSEのほうが待遇が良いです。

お客様とシステム構築を計画し、予算・スケジュール・人員確保など様々なマネジメントを行いシステムを納品するSEは、単なる開発工程でのプログラミング作業するプログラマと比べると幅広い知識とマネジメント能力が求められるため待遇はSEがよくなります。

基本的にSI業界ではお金の発生元に近づく人ほど待遇が良くなります。開発工程は下流工程にあたり、そこを中心に担当するプログラマーは役割としての価値が低くなりがちです。

よくプログラマーがSEに対して愚痴をこぼす記事があります。プログラミング能力が低いSEも確かにいますが、プログラミングできるSEもいる中で逆のことを感じるのも然りです。

SI業界においては上流工程を担当できるようにキャリアアップを目指せるSEを私はおすすめします

SEとプログラマーの年収の違い

こちらは総務省 統計局のデータがありますので紹介いたします。 人数の多い100人〜1000人規模の会社のSEとプログラマーの年収の違いを紹介いたします。

 SEプログラマー
年収 533万円 410万円
年齢 36.6歳 31.0歳
勤続年数 11.1年 6.2年

参考:統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103

 

年収では120万円ほどSEの方が高く、勤続年数が長いこともわかります。このようなことからもSE方がプログラマーより価値が高く扱われていることがうかがい知れます。

SEとプログラマーのキャリアの違い

SEとプログラマーのキャリアはどうでしょうか。

SEは下流工程の実装工程からはじまり、経験・スキルが付いてくるとともに上流工程を担当していきます。

プログラマーほどはプログラミングスキルはつけられませんが、

  • マネジメントスキルの向上
  • 品質を担保するための開発の進め方の習得
  • お客様の業務の理解と業界の課題理解

などの幅広いスキルと経験を得ることができるでしょう。

「マネジメントやリーダーシップは向いてないからSEは難しそう」という方もいますが、コツをつかめば難しいことでもありません。

実際にSEはコミュニケーションが苦手な理系が多いのですから気にする必要はないでしょう。

一方、プログラマーは実装工程を生業としているため年数が経っても上流工程を担当することは少ないでしょう。 狭く深い穴を掘るようにスペシャリスト性を高めることがプログラマーとなります。

プログラマーを目指す方へのアドバイス

この記事ではSEを目指すことをおすすめしていますが、あくまで一般論としてです。

他のプログラマーより生産性が高かったり、できないことができたり、その他の価値を提供できるのであれば問題ありません。

一般のプログラマーではできない高度な技能や経験を持っている場合は相応の待遇、給与となります。

ただし、「自分はプログラミングしかできないから」という発想でプログラマーを選ぶのは避けましょう。 SEに挑戦せずプログラマーに挑戦するためのポジティブな理由があれば問題ないでしょう。

コラム:エンジニアという選択肢

これまでSI業界におけるSEとプログラマーを紹介していきました。 SI業界でないパターンとしては事業会社のエンジニアがあります。

スマホゲームの開発をしたり、クックパッドのようなWEBサービスを開発するエンジニアです。

事業会社で開発をするエンジニアは「SI業界のSE+PG」+「事業視点」が求められます。 そのため、エンジニア仕事はとても高度で待遇も良いです。

事業会社のエンジニアは単に「プログラマー」とも呼ばれることもありますが、SI業界におけるプログラマーとは待遇が全く異なります。

本サイトにも限らず記事や会話で「プログラマー」が出てきたときはSI業界なのか事業会社なのかどちらの文脈で利用されているかを区別して理解しましょう。

まとめ

本記事では、SEとプログラマーのお仕事、待遇、年収、キャリアについて違いを解説してきました。

SI業界においてはSEの方が市場価値が高く、高待遇で幅の広いキャリアがあることを紹介してきました。

プログラマーは他のプログラマーと差別化をとることで高待遇を得ることができるでしょう。

私はSEを選ぶことをおすすめします。 プログラマーにキャリアチェンジもしやすく、高待遇を得られやすいからです。

ぜひ違いをしっかりと理解した上で職種をお選びください。